2022年6月21日火曜日

祢づミの嫁入(木村文三郎) その7

P3 国立国会図書館蔵

P4 国立国会図書館蔵

P4文章拡大

(読み)P4

多ハらや尓て

たわらやにて


ハ多いけの

はたいけの


大 こくやへ

だいこくやへ


よめいり

よめいり


さ春るむ

さするむ


春めハく王

すめはか


本うもの也

ほうものなり


とよろこび

とよろこび


いるハや年

いるはやね


(大意)

俵屋では大家の大黒屋へ

嫁入りさせる娘は果報者であると

喜んでいました。はや寝(道具にも)


(補足)

 P3はP4と見開きになっていて文章はありませんが、ふたりでひそひそ何やら娘をみて話し合っている声が聞こえてきそうです。「器量よしな娘ですなぁ。婚礼が楽しみでございます」座敷前の大きな花はなんでしょうか。

「多いけ」は読めても、意味が最初はわかりませんでしたが、しばらくして「大家」と気づきました。

「く王本うもの也」、そのままよめば「くわほうものなり」。

次の頁にまたがっている「ハや年多゛うぐ尓も」もわかりにくい。「寝道具」です。

 お供の提灯持ちや籠担ぎたちの脚が妙に艶めかしい。提灯の立体感が今ひとつです。文字ではなく何かの器のような柄になっています。

 

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