P14前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
第 丗 九風 の神
多゛以さん志゛うく可ぜ 可ミ
だ いさんじゅうくかぜのかみ
天 地の間 の氣越風 と云 万 物 の滞 り越う奈可゛須自
てんち 阿い多゛き ふう いふ者゛んもつ とゞこを し
てんちのあいだのきをふうというば んもつのとどこおりをうなが すし
然 の道具 尓し天奈く天叶 ハざる毛の也 俗 尓風 の神
ぜん どうぐ 可奈 曽゛く 可ぜ 可ミ
ぜんのどうぐにしてなくてかなわざるものなりぞ くにかぜのかみ
登云 ハ邪 氣也 邪 氣ハ毛のゝ春き間越う可ゞひ天
いふ じやき じやき ま
というはじゃきなりじゃきはもののすきまをうかがいて
(大意)
第三十九風の神
天地の間の気を風という。万物の様々なさしさわりを促す自
然の道具であって、なくてはならないものである。俗に「風の神」
というのは邪気のことである。邪気はものの隙間をねらって
(補足)
「毛の」という表現のときは「も」の変体仮名はこの形になります。
「云ハ」(いふは)、「ふ」が「へ」にみえてしまい(いえば)と読んでしまいました。
「春き間越う可ゞひ天」、すぐ左側の行と比べると同じになってます。