2020年5月9日土曜日

豆本 狐の嫁入 その8




 P.6

(読み)
[つゝき]

まつ
まず

尓もつを
にもつを

さ起へ者こバ
さきへはこば

せ个る◎
せける



(大意)
(まず)
荷物を先に
運ばせました。


(補足)
 前回の「きつねの嫁入」(堤吉兵衛)の同じ場面では雨がザンザン降りでした。
またお供のものの人数ももっと多く賑やかでしたが、こちらは簡素。
この画面のような雨を「きつねのよめいり」というのでしょうか。
雨粒を数えることができます。ちょうど10粒。

 籠の左前の方は見事な小刀をさしています。


「さ起へ者こバ」、「さ起へ」は「先へ」でしょうが意味は2通りで、先方の嫁入りする家に荷物を運ぶと嫁より先に荷物だけ運ばせるでしょうか。
しかし、結果はどちらも同じですけど。

「者こバ」、変体仮名「者」の最後の流れがかすれずに濃くなっているので「こ」がややわかりにくい。



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