2020年5月10日日曜日

豆本 狐の嫁入 その9




 P.7

(読み)


そ連
それ

よりよめも
よりよめも

き多りさんゝ
きたりさんさん

くどのさ可づ起
くどのさかずき

も春ミ里やうり
もすみりょうり

尓ハねつミのや起多のを
にはねずみのやきたのを

多゛いと奈しよして[次へ]
だ いとなしよして



(大意)
そのあとから
嫁も来て三三九度の盃もすみました。
料理には鼠(ねずみ)の焼き物が
振る舞われました。


(補足)
「里やうり」(りょうり)がややわかりにくい。ここの「や」とその右となりの「や」もですが現在の「ゆ」に見えてしまいます。「や」は変体仮名「也」、「ゆ」は「由」。

「多゛いと奈しよして」、この部分がよくわかりません。大意はごまかしました。
「多゛い」は「台」(だい)、「台の者」(だいのもの)でしょうから、目出度い席上で大きな台の上に、尾頭付きの立派な鯛の焼き物のように鼠の焼き物が振る舞われたということでしょうか。
野ネズミの天敵は狐ですけど、きっとごちそうなんだな。


P6P7見開き。



 赤い提灯の取っ手が、よく時代劇に出てくる柄がついたものではなく、急須などの取っ手が上向きになっているようなものに見えます。

 先頭の紋付袴の方も小刀帯刀しています。
こちらの頁は背景が薄灰色で前頁の淡青色に比べると暗く、ちょっと婚礼輿入れとしては疑問です。



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