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(読み)
「こゝ尓ねづ
ここにねず
ミやちう の
みやちゅうの
春けとて
すけとて
び奈んの
ぶなんの
きこへあり○
きこえあり
○ま多お奈じ
またおなじ
奈可満の
なかまの
もちやの
もちやの
む春め尓
むすめに
お志つと
おしずと
「本ん尓
ほんに
サウテ
そうで
こさい
ござい
ます
ます
よ
よ
「こゝ者さ
ここはさ
むこうさへ
むこうさへ
志やう
しょう
ち奈
ちな
らこ
らこ
ちらハ
ちらは
いゝ
いい
の
の
サ
さ
「春こしも
すこしも
可やぶん奈しさ
??ぶんなしさ
(大意)
ここに鼠屋忠之助という
美男の聞こえ高い男がおりました。
また同じ仲間の餅屋の娘に
お静と(いう)
「本当におめでとうございます」
「ここはさ、向こうさへ承知なら
こちらはいいのさ」
「少しも(かまや)しないさ」
(補足)
「ねづミやちうの春け」を「鼠屋忠之助」としましたが、もっとよい名前がありそうです。
本文の出だしに「 がついてますが、会話ではないのに変です、間違えたのかも。
会話体の「 がついたものが3箇所あります。
右下の部分の一行目、「こゝ者さ」としましたが、よくわかりません。
「者」がにじんでいてそれらしくはみえますが、このあとの「向こうさえ承知なら」につながる言葉としてはどんなものがあるでしょうか。
左下「春こしも」のあとが、「可やぶん」と読めるのですが、意味が通じません。
それとも「春こし/もう/やぶん/奈しさ」と区切る?
会話自体は「少しもかまわないさ」といった感じだとおもいます。
うーん、宿題にします。
めでたい話をしているはずですが、背景の暗い淡薄緑色のためか、ちっとも明るくなく何か悪巧みをしている趣です。
大黒様に使える者(神使)はねずみ、それも白いねずみがよくでてきます。
中勘助の「銀の匙」に、勘助が幼少の頃、散歩するときでさえおんぶして歩いてくれた叔母がいました。この叔母、家の米びつをねずみに空っぽにされ続け、家が破産してしまったというほどの信心深いひとでした。この鼠が白かったのでなおさら大切にし、神様の使いだからと追い立てなかったのでした。
三人?とも着込んでいます。奥さんの首周りは襟巻きでしょうか。
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