P.10
(読み)
む由へ
むゆえ
おとひめも
おとひめも
ぜひ奈く多満
ぜひなくたま
て者゛こを
てば こを
やりわ可れを
やりわかれを
つけ可尓
つけかに
おくり
おくい
者゛んしうへ
ば んしゅうへ
可へし
かえし
けれ者゛
ければ
(大意)
乙姫はしかたなく玉手箱をやって別れることにしました。
(来たときと同じように)亀に送られて播州へ帰ったところ
(補足)
「やりわ可れを」、「や」が「ゆ」に見えますが、変体仮名「也」です。またここで切れます。
「わ」がやはりわかりにく。
「つけ可尓」「おくり」、「尓」は「め」の間違いだと思うのですが、もしかしたら帰りは「蟹」の背中に乗って送られたのかもしれません。
玉手箱を小脇に抱えて、久しぶりの故郷に帰り、うれしそうな太郎です。
ちゃんと釣り竿も持ち帰りました。腰蓑は忘れてきたようです。
背景は漁師町の浜の風景、網が干してあり、沖には白帆が数隻。
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