2020年2月3日月曜日

豆本 浦島物がたり その8




 P.6

(読み)
らうかく
ろうかく

たらうハ
たろうは

めづらしく
めずらしく

おもひ
おもい

その
その

うち●
うち

●多可き
  たかき

ところの
ところの

ミ春をあげ
みすをあげ

おとひ女
おとひめ

い春尓
いすに

かゝり
かかり


(大意)
楼閣があり、
太郎は珍しくおもいました。
そのうち、高いところの御簾(みす)があがり
乙姫が椅子に寄りかかって


(補足)
 太郎が正装をして乙姫様に拝謁しているところ、右の袖の紋に白を忘れてます。
裃(かみしも)袴(はかま)の描写が直線でまとめられてますが、絵ではなくとも実際の衣装が直線的であることに気付かされます。
表情がキリッとひきしまり月代(さかやき)がうす青く剃りたてホヤホヤなのでしょう。

 右側のカーテンみたいなのが御簾(みす)なのでしょうが、どうみても海外から入ってきたばかりのカーテンです。うーん、10歩ゆずって舞台の緞帳?

 正座でかしこまっている家来はナマズみたいですが、なんでしょう?


「たらうハ」、「た」が変体仮名「多」ではありません。P4のでは「うらしま多らう」でした。
「多可き」、(たりき)では意味がおかしいので、(たかき)。変体仮名「可」は「り」や「う」ににてます。
「ミ春をあげ」「い春尓」、「す」の変体仮名「春」。「す」+「て」のような感じ。

「おもひ」「おとひ女」「ミ春をあげ」、「お」と「あ」の違いはおおざっぱに、右側に「丶」があるかないかだけ。


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