P.11
(読み)
●このうら尓
このうらに
春まひ
すまい
さんぜん
さんぜん
ねん
ねん
の
の
よハひてたるを
よわいてたるを
多満て者゛この奈可
たまてばこのなか
をミ多くおもひし由へ
をみたきおもいしゆえ
ふ多をくりミれハ奈尓
ふたをくりみればなに
も奈したゞ
もなしただ
けむりの
けむりの
(大意)
(太郎は)この浦に住みました。
(あるとき)三千年の齢(よわい)を経ている(と言われている)
玉手箱の中を見てみたいと思い
蓋を開けてみれば、何も入ってなく
ただ煙の
(補足)
背景が砂浜の色だからだけでなく、この部分の摺りは明確に読むことができます。
「よハひてたるを」、どのように現代文になおすか、難しいところです。「よハひ」は「齢」なので、単純に(三千年の齢を経ている)としました。
「多満て者゛こ」、変体仮名で書かれると、何かしらの力が入っているような気がしてきます。
「ふ多をくりミれハ奈尓」、(蓋を繰り見れば)でしょうか。綱や糸などを巻き取る、紙や布などを順にめくる。現在ではあまり用いないかもしれません。「尓」が行末でつぶれて難しい、文章をベタに書いているのですから、単純に次の行頭にもっていけばとおもうのですが。
「も奈したゞ」、変体仮名ではない「た」です。
P10P11見開きです。
畑の手入れをしている人物、あまりの手抜きに笑えます。
空の赤(明治赤絵)、海の青は両頁同じですが、どうして砂浜の色だけがことなるのでしょう。
300年の経過を示すため?
なにか訳があるとおもうのですが、おもいつきません。
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