2019年12月7日土曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その69




 P.41 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
荷主 方 損 毛 無之  様 可致   旨 を以  左之扱   人  相 頼
にぬしかたそんもうこれなきよういたすべしむねをもってさのあつかいにんをあいたより

厚  詫 入 候   所  格 別 之御勘 弁 を以  御承  知被下  忝
あつくわびいれそうろうところかくべつのごかんべんをもってごしょうちくだされかたじけなく

存  候   然  上 者向 後桴  川 下 被成候    節 ハ村 方 地先之
ぞんじそうろうしかるうえはこうごいかだかわさげなされそうろうせつはむらかたちさきの



(大意)
荷主たちに損害のないようにすることを下記の扱い人にお願いします。
心からお詫び申し上げますので格別のお許しをたまわりお聞き入れくださり感謝に
たえません。然る上は今後筏川下げをされるとき村の近くに繋ぎ留める(ときには)


(補足)
 農地を守るために堤防を壊されてはたまらぬと、大変な剣幕ながら冷静な筆致で先の訴え状には切々と記されていました。しかしここに至って、手のひらを返すとはまさしくこのことのようです。
酔狂であったとはいえ、何から何までこちら側で元通りにして返すし、狼藉を働いたことを全面的に認め、謝罪を受け入れてくれたことに感謝しています。
 さらに、今後のことについても述べてゆきます。
きっと、奉行所から強い指導があり、仲間の名主たちとの話し合いの結果にちがいありません。

「御勘弁」、「弁」があるのでその上の「勘」のくずし字が読めました。
「承」、ここでも中央の部品は「了」+「三」ではありません。
「忝」、わかりそうで読めませんでしたが、改行して「存候」と続くので(かたじけなく)と予想できます。
「節」、「竹」冠が「以」のくずし字にそっくりです。


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