P.3
(読み)
それをミてうらや満
それをみてうらやま
しくおもひてい
しくおもいてい
ぬを可りて
ぬをかりて
や満へつれ
やまへつれ
[つぎへ]
つぎへ
(大意)
それを見てうらやましくおもい
犬を借りて山へ連れ
(補足)
P.2とP.3が見開きになっていて、この頁はその左側部分。
見開きにしてみると、こんな感じになります。
豆本とはいえ、なかなかのパノラマ感があります。
一番左側の木が右側に丸く反り、枝葉が右頁の左上まで描きこまれ、空の空間のつながりも強調されてます。
「それをミて」、「そ」が「た」のように見えてしまいます。この「そ」は「曽」の変体仮名。
「しくおもひてい」、行末の「い」は次行につながって「いぬ(犬)」です。
長方形の中は「つぎへ」と右上から左下に記されています。このあとの頁の[つづき]につながります。
欲張り爺は鋤を振り上げ、右足でワンコの首を押さえつけ殴りつけています。
ワンコは苦悶の表情。
この欲張り爺、どうやら左利きのようです。錦絵の画面効果を考えてのことだと思います。
右利きで描いてしまうと体が右前になりどうしても体や顔の表情などが左腕に隠れてしまいます。
体の正面をこちらに見せるにはこの構えしかないので、結果左腕を上部に持ってきたのでしょう。
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