2019年12月4日水曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その66




 P.39 4行目〜最後。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
繋  畄メ番 小家補理乗 人衆番  致被居     候   所  我 等
つなぎとめばんごやほりのりびとしゅうばんいたしおられそうろうところわれら

大 勢 坂 戸市へ罷  出致酒狂     帰路右 小家へ立
おおぜいさかどしへまかりですいきょういたしきろみぎこやへたち

寄 彼 是 申  懸 桴  乱 妨 二切 散 し其 外 品 々 不容
よりあれこれもうしかけいかだらんぼうにきりちらしそのほかしなじなよういならず



(大意)
繋ぎ留めました。番小屋を設置し筏の船頭たちなどが見張りをしていましたところへ、私どもが
大勢で坂戸市へでかけ酒に酔い帰りにこの番小屋へ立ち寄り
あれこれと難癖をつけ筏を乱暴にバラバラにしてしまいました。そのほかの材木などもとりかえしのつかない


(補足)
 おやおや戸口村の人たちがしたこと、いよいよ訴えられて隠しきれずに自白?しだしました。
酔っ払った上での出来事だったのだと、まぁいわば開き直っているようです。

 筏が川下げのときにバラバラにならないように頑丈に縛り付けられます。川下げ中に筏がバラけてしまったら船頭の命が危うくなります。その筏をバラしてしまったのですから、刃物がなければできるわけがありません。酔っ払っていた?とはいえ計画的で悪意がなければできることではありません。

 戸口村の訴え状を読んだ限りでは、非は筏を勝手に留めた坂石村のほうにあるとおもいましたが、
どうもわたしは裁判官にはなれそうもありません。


「衆」、くずし字は簡略化されて「流」の右側に似てます。
「番」、何度も出てきてます。「釆」が「半」のようになってます。
「家」と「我」のくずし字がとても似てます。
「酒」が読みにくい。
「帰路」、「帰」はわかりますが、「路」はどうも苦手。
「彼是」(あれこれ)と読むのでした。


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