2026年5月18日月曜日

日本山海名物圖繪巻之四 その5

P8P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

松  煙 取  図

せ うゑんとりのづ

しょうえんとりのず


肥 松 の由ゑん奈り又 ハ灰 墨 とも云 これを取 尓ハ四方 障  紙

こへまつ         者いすミ       とる  し本うしやうじ

こえまつのゆえんなりまたははいずみともいうこれをとるにはしほうしょうじ


尓て可こひ其 中 尓ハ棚 を可き其 上 を土 尓てぬりて肥 松 尓火を

     その奈か  多奈     うへ つち

にてかこいそのなかにはたなをかきそのうえをつちにてぬりてこえまつにひを


つけてまどゟ 入 其 かゞりの个ふり上 の方 尓たまるを者きて取 也

                  うへ

つけてまどよりいれそのかがりのけぶりうえのほうにたまるをはきてとるなり


是 を松  煙 と云 本

           本ん

これをしょうえんというほん


油煙 といふハ油  火のかゞりの个ふり也

由ゑん    あふらひ

ゆえんというはあぶらひのかがりのけぶりなり


是 も棚 をこしらへ多 く油  火をともし障  紙

これもたなをこしらえおおくあぶらびをともししょうじ


尓てかこひて其 上 尓たまるを取 也◯又 太 平 墨 奈ど尓春る

                     多いへいずミ

にてかこいてそのうえにたまるをとるなりまたたいへいずみなどにする


下品  能松  煙 ハ肥 松 の煙  尓

げ本゛ん            个ふり

げぼ んのしょうえんはこえまつのけぶりに


あら須゛瓦  やきの竃 のごときに志つらひて松 の雑 木をたきて

    かハら   可ま             ざうき

あらず かわらやきのかまのごときにしつらいてまつのぞうきをたきて


其 上 尓たまる煤 を者らひ取 也

        すゝ

そのうえにたまるすすをはらいとるなり

(大意)

(補足)

 インクや鉛筆などが出現するまでは、紙と墨はなくてはならない必需品というものをこえた存在でした。墨は後半の説明にある竃の中で松を燃やしてその天井にできる煤をはらって作るものとばかりおもっていましたが、障子で囲った中からつくる製法は初耳で、ちょっと驚きです。

 今でも竃の中での製法は僅かですが続けられていて、それが「太平墨奈ど尓春る下品」の墨であるとは、現在では高級品扱いです。

 黒い着物の職人さんは鳥の羽毛のようなもので煤をはらっています。

 

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