P19 東京国立博物館蔵
(読み)
走 ルを見ル爰 より下 リ坂 ニて軽(カル)井沢 と云 処
はしるをみるここよりくだりざかにて かる いさわというところ
人 家あり亦 山 ヲ越へてビンノ沢 と云 処 少
じんかありまたやまをこえてびんのさわというところしょう
々 人 家アリ観 音 堂 アリ夫 より平 井村 と
しょうじんかありかんのんどうありそれよりひらいむらと
云 を過 て漸 ク三嶋 明 神 の前 尓出ル爰 ハ
いうをすぎてようやくみしまみょうじんのまえにでるここは
往 来 なり此 山 路 皆 カヤ生 して此 木能
おうらいなりこのやまみちみなかやしょうじてこのきの
ミ尓して大 木 なし右 に箱 根山 左 ニ天城
みにしてたいぼくなしみぎにはこねやまひだりにあまぎ
山 見へて往 来 能人 ニ不逢 天 曇 カ雨天
さんみえておうらいのひとにあわずてんくもりかうてん
能日狼 路 ニ出て居ルよし伊豆ハ山(ヤマ)国 ニて
のひおおかみみちにでているよしいずは やま くににて
是 より下 田へ往(ユク)尓天城(アマキ)を越 ル也 三嶋 ヨリ
これよりしもだへ ゆく に あまぎ をこゆるなりみしまより
沼 津ニ至 り狩野川 とて竪 に流 ルる河 アリ
ぬまずにいたりかのがわとてたてにながるるかわあり
(大意)駄文のつづき
そのあたり山深く鹿など見ながら、ここからはずっと下りになる。
軽井沢、ビンノ沢、平井村と下るにしたがい人家が多くなり、
漸く、三嶋明神にでるとそこはもう人通りのある往来であった。
歩いてきた山路は、曇りや雨の日には狼が出るという。
(補足)
「不逢」、原文には間にレ点が入っています。
この地図で、軽井沢・平井村・鬢ノ沢が確かめられます。なるほど山深そう。
この時代はまだまだ狼がゴロゴロいたようです。
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