P.12後半
(読み)
志どいめ尓
しどいめに
あハせしハ
あわせしは
いゝきみで
いいきみで
あつ多とさ
あったとさ
まこと尓あく人 本ろび
まことにあくにんほろび
ぜん人 のさ可へ▼
ぜんにんのさかえ
▼てめで多し\/\/
てめでたしめでたしめでたい
(大意)
酷(ひど)い目にあわせたことは
いい気味だったとさ。
まことに悪人滅び
善人の栄えることは
めでたいことだ。
めでたしめでたし。
(補足)
「志どいめ尓」、「志」と「尓」は間違いなく自信があります。しかしあいだの3文字がよくわかりません。初心者はこういったときつらい。「ど」は「ハ」にもみえます、ちょうど左隣にある「ハ」と比べてもそっくりです。「め」は「わ」にもみえます。P1とP10に平仮名「わ」があるのですが、一画目の縦棒の最後がはねずにとめになってます。ここの「わ」ははねてますのでやはり「め」でしょうし、このあとの「めで多し」のところの「め」と比べても「め」に軍配があがります。
「しどい」として、辞書で調べてもヒットしません。江戸っ子だったら「し」が「ひ」になりますし、出版元は東京であります。ということでわからないことをよいことに「酷い目に」としました。はなしの流れにもあいますし・・・
あらためて欲張りじじいの顔をアップしてみると、お縄をかけようとしている役人の顔に比べると何倍も思い入れをこめて丁寧に念入りに描いているような気がします。必死の形相にもどこか悲しさがあるのです。