2020年10月31日土曜日

豆本 かち\/山(佐藤新太郎)その8


P.6

(読み)

うさぎ王多くし可゛か多起

うさぎわたくしが かたき


をとつて志んぜませ う

をとってしんぜましょう


とうさ起゛多ぬ起のや満へ

とうさぎ たぬきのやまへ


ゆき多ぬき尓志者゛を

ゆきたぬきにしば を


せ本いさせうしろより

せほいさせうしろより


(大意)

うさぎ「わたくしがかたきをとってしんぜましょう」と

兎は狸の山へ行き、

狸に柴を背負わせうしろから


(補足)

「うさぎ」「うさ起゛」、「多ぬ起」「多ぬき」と文字を変えています。

「王多くし可゛」、わたくしが、とはとても丁寧です。変体仮名「王」(わ)。

「か多起」、平仮名「か」がよく使われるようになってます。

「や満へ」、変体仮名「満」(ま)。そのすぐ左側の行に平仮名「ま」があります。

「せ本いさせ」、変体仮名「本」(ほ)。

耳をピンとたて腕まくりする兎は赤い目で狸をにらみ、浴衣のような着物の柄が独特です。

下駄は丁寧ですが、狸の絵はちょっと乱暴。

 

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