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(読み)
うさぎ王多くし可゛か多起
うさぎわたくしが かたき
をとつて志んぜませ う
をとってしんぜましょう
とうさ起゛多ぬ起のや満へ
とうさぎ たぬきのやまへ
ゆき多ぬき尓志者゛を
ゆきたぬきにしば を
せ本いさせうしろより
せほいさせうしろより
(大意)
うさぎ「わたくしがかたきをとってしんぜましょう」と
兎は狸の山へ行き、
狸に柴を背負わせうしろから
(補足)
「うさぎ」「うさ起゛」、「多ぬ起」「多ぬき」と文字を変えています。
「王多くし可゛」、わたくしが、とはとても丁寧です。変体仮名「王」(わ)。
「か多起」、平仮名「か」がよく使われるようになってます。
「や満へ」、変体仮名「満」(ま)。そのすぐ左側の行に平仮名「ま」があります。
「せ本いさせ」、変体仮名「本」(ほ)。
耳をピンとたて腕まくりする兎は赤い目で狸をにらみ、浴衣のような着物の柄が独特です。
下駄は丁寧ですが、狸の絵はちょっと乱暴。
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