2020年10月8日木曜日

豆本 かち\/山 その3

 

P.1

(読み)

むかし\/

むかしむかし


あるい奈可

あるいなか


尓ぢゞいと

にじじいと


者゛ゞアあり

ば ばああり


あるひ多ぬきを

あるひたぬきを


つ可め者りへ

つかめはりへ


志づりをき▲

しずりおき


▲ちゞいハ山 へ

 じじいはやまへ


由起ける可゛

ゆきけるが


あと尓て

あとにて


(大意)

むかしむかし

ある田舎にじじいとばばあがおりました。

ある日たぬきをつかまえて

梁(はり)へ吊り下げたまま

じじいは山へ行ってしまいました。

そのあとのことです。


(補足)

「つ可め」、捕まえることでしょう。

「志づり」、垂る(しずる)。木の枝につもった雪が落ちると辞書にはあります。

宙吊りたぬきの後ろ、剥がれ落ちた土壁にその下地の竹編みやひび割れまで丁寧です。

たぬきが婆さんに何か話しかけているようです。また婆さんは何をついているのでしょう。

その内容は次頁。


0 件のコメント:

コメントを投稿