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(読み)
むかし\/
むかしむかし
あるい奈可
あるいなか
尓ぢゞいと
にじじいと
者゛ゞアあり
ば ばああり
あるひ多ぬきを
あるひたぬきを
つ可め者りへ
つかめはりへ
志づりをき▲
しずりおき
▲ちゞいハ山 へ
じじいはやまへ
由起ける可゛
ゆきけるが
あと尓て
あとにて
(大意)
むかしむかし
ある田舎にじじいとばばあがおりました。
ある日たぬきをつかまえて
梁(はり)へ吊り下げたまま
じじいは山へ行ってしまいました。
そのあとのことです。
(補足)
「つ可め」、捕まえることでしょう。
「志づり」、垂る(しずる)。木の枝につもった雪が落ちると辞書にはあります。
宙吊りたぬきの後ろ、剥がれ落ちた土壁にその下地の竹編みやひび割れまで丁寧です。
たぬきが婆さんに何か話しかけているようです。また婆さんは何をついているのでしょう。
その内容は次頁。
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