P.12
(読み)
小荷駄馬
こにだうま
奈んと
なんと
多゛ん奈
だ んな
けう の
きょうの
おとま
おとま
りハ▼
りは
▼どこ多゛ねまん
どこだ ねまん
ねん可ねこれ
ねんかねこれ
でハあすも
ではあすも
てんきらしい奈ア
てんきらしいなあ
めで多い
めでたい
ゝゝ
めでたいめでたい
(大意)
小荷駄馬(こにだうま)
ねぇ旦那、今日のお泊りはどこだね。
万年かね。
これでは明日も晴れらしいなぁ。
めでたい
めでたいめでたい。
(補足)
馬も馬上の人も馬を引く人もみな後ろ姿、その向こうは夕焼け、明日は晴れ。
チャップリンの映画では、後ろ姿でスキップを踏みながら遠ざかる場面はほとんどがハッピーエンドの結末でありました。
むまくらべものどかに終わります。
馬の尻尾の根本にはP8P9早打馬同様の飾りがぐるりとあります。
しばらくながめていて気づいたのですが、対称性を微妙に嫌うというかずらしているのがわかります。笠の頂点からそのまま垂線を対称軸とすると、乗馬している人の頭の位置が少し右へ、羽織は背骨に沿って真っ直ぐですが、左右で羽織のしなりをかえ、鞍はほぼ対称ですが飾りや尻尾は自由です。馬脚の位置や付き人についても同様です。日本の伝統的な手法でしょう。
小荷駄とは馬の背に振り分けてある荷物。室町時代には小荷駄奉行という武家の職名があったとか、現代の兵站業務。
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