P.2
(読み)
あと尓て
あとにて
たぬきハ
たぬきは
むぎミを
むぎみを
つ起
つき
い多る
いたる
者゛ゞ尓
ば ばに
む可い
むかい
王連の
われの
奈わと起て
なはときて
くれ連バ
くれれば
むぎつく▲
むぎつく
てつ多゛い春べし
てつだ いすべし
と
と
もふし
もうし
个連バ
ければ
者゛ゞハ
ば ばは
奈ハ
なわ
めを
めを
と起
とき
(大意)
そののち、たぬきは麦実をついているばばにむかって
「おれの縄をといてくれれば麦つきを手伝ってやろう」と申しましたので
ばばは縄めをといてあげました。
(補足)
絵の隙間に文章が散らばります。
豆本それぞれに文字や文章にクセがありますので、最初はとまどいます。
「たぬき」、平仮名「た」です!しかしここだけ。
「つ起」や「と起」という言い回しがよく出てきます。
「王連の」(われの)、変体仮名「王」(わ)は「已」のような形。変体仮名「連」(れ)このあとも出てきます。
「春べし」、変体仮名「春」(す)は「す」+「て」のようなかたち。
「个連バ」(ければ)、難しいです。文章の流れで「ければ」と予想してにらめっこするとそう見えてきました。
明治18年出版ですが、まだまだ変体仮名やかっての言い回しがあたりまえに出てきてます。そう簡単に変わることができるものではありません。
四角い枠にバッテンの道具は小林画でもでてきてました。枠をよく見ると竹でできているようです。節まで丁寧に描いています。右脇の囲炉裏の自在鉤の支柱も節がありますので竹かもしれません。
あやうく食べられそうになったたぬき、怒り心頭、六尺棒のようなものの先は?ばばの足が見えています。
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