2020年10月29日木曜日

豆本 かち\/山(佐藤新太郎)その7

P.5

(読み)

あと尓て

あとにて


ぢゞハおど

じじはおど


ろき可奈し

ろきかなし


ミい多ると

みいたると


ころへうさ

ころへうさ


ぎまいり

ぎまいり


ぢゞハいちぶ

じじはいちぶ


志ゞ うをか多り

しじゅうをかたり


奈げき

なげき


可奈

かな


しミ

しみ


けり

けり


(大意)

あとになって

じじは驚き悲しんでいたところへ

兎がやってきました。

じじは一部始終をうさぎに話しながら

(いっそう)嘆き悲しみました。


(補足)

「あと尓て」、「あ」がわかりにくですが右上のカーブがやや大きくなってます。

「いちぶ志ゞう」、始終(しじゅう)が悩むところですが、その前の「いちぶ」がありますので、一部始終とつながります。

「か多り」、平仮名「か」。

「けり」、全ページでは「个り」でした。

爺さん、山へ出かけてゆくのに部屋では裕福ななりであります。お膳も漆塗りとおもわれ立派です。

うしろには屏風、座布団は赤でこれに赤のちゃんちゃんこを着てれば還暦祝の宴席になります。

P4P5見開き

そんな好々爺に向かう恐ろしい形相のばばに化けたたぬき、ブルッと震えます。




 

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