2020年10月27日火曜日

豆本 かち\/山(佐藤新太郎)その5

P.3

(読み)

や連者゛

やれば


者゛ゞを

ば ばを


うちころし

うちころし


者゛ゞ尓春可゛多

ば ばにすが た


をへんじ者゛ゞと

をへんじば ばと


奈つて者゛ゝの志可゛ひを

なってば ばのしが いを


志る尓いれおく

しるにいれおく


ところへぢゞハ

ところへじじは


可へり

かえり


(大意)

(縄めをとき)そうしたら

(たぬきは)ばばを打ち殺してしまいました。

ばばに姿を変えばばになって

ばばの死骸を汁に入れておきましたところへ

じじが帰ってきました。


(補足)

「や連者゛」(やれば)、変体仮名「連」(れ)がある一方、後ろから3行目に「いれおく」と平仮名「れ」もあります。「者゛」はいままでなら「バ」でした。

「へんじ者゛ゞと」、「と」としましたが、かすれていてよくわかりません。カタカナの「ニ」としたら位置や大きさがおかしい。「尓」でもおかしい。

「者゛ゞ」が4回もでてきました。

婆さん狸にだまされて打ち殺され哀れ汁に入れられてしまいました。

麦を挽いていた石臼の上部がはずれて、下部の内面が丁寧に描かれ正確に波状のギザギザまでわかります。


P2P3見開き

婆さんを打ち殺す勇ましい狸に憎しみが高まる場面です。

 

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