2020年5月31日日曜日

豆本 化物嫁入咄 その1




表紙



表紙カラー


(読み)
化 物 嫁 入 咄
ばけものよめいりばなし

(大意)



(補足)
 「きつねの嫁入」「狐の嫁入り」「鼡の嫁入」と嫁入りシリーズが続きます。
今回は「猫」の予定でしたが、「化物」に変更しました。

 江戸時代はいろいろな動物・獣を擬人化したり、今回のように化物までひっぱりだしての「嫁入り」噺がたくさん出版されました。
女子や子どもたちに婚礼の流れを学ばせるよい教材でもありました。

 今回の豆本は「幕末明治豆本集成」にものっていてそれは色刷りです。
しかし、国立国会図書館デジタルコレクションにはその色刷り版がなく白黒なのです。
分類番号は同一です。
著者が個人で豆本を撮影したもかもしれません。

 作画者は通常奥付に記されてますが、「幕末明治豆本集成」に(表紙・六丁裏に「国麿」と記載)とあります。国麿とは歌川国麿です。



2020年5月30日土曜日

豆本 鼡の嫁入 その14




奥付

(読み)
明 治十  四年
めいじじゅうよねん

十  月 十  八 日 御届
じゅうがつじゅうはちにちおとどけ

定 價壹 錢 5 厘
ていかいっせんごりん

東 京  府平 民
とうきょうふへいみん

編 輯  兼
へんしゅうけん

出  版 人  服部  為 三 郎
しゅっぱんにん はっとりためさぶろう

下 谷區
したやく

上 野西 黒 門 町  五番 地
うえのにしくろもんちょうごばんち



(大意)



(補足)
 直線を主体とした字体を意識したのでしょうか、雰囲気がピシッとします。
この豆本は保存状態がとてもよく色も鮮やかです。
人から人へ読まれたものではなく、発売後返本されるかなにかしてそのままになっていたものかもしれません。


裏表紙。



 扇柄模様です。





2020年5月29日金曜日

豆本 鼡の嫁入 その13




P.12

(読み)

「アア くたびれ多ゝ
 ああ くたびれたくたびれた

もしゝ ?うこゝ
もしもしもうここ

ハ大 こくさ満で
はだいこくさまで

ごさいま春可
ございますか


「もしきやうハ
 もしきょうは

よいおてんき
よいおてんき

でおめで多う
でおめでとう

ございま春
ございます


めで
めで

多し
たし

ゝ   ゝ
めでたしめでたし


(大意)
「あぁ くたびれたくたびれた。
もしもし、もうここは
大黒様でございましょうか。

「えぇ、今日は
良いお天気で
おめでとうございます。

めでたし
めでたしめでたし



(補足)
 赤ちゃんも白い顔に目と耳が見え鼠の形。

 出だしの「コ」+「く」の字は合字のようにも、カタカナの「ヲ」にも見えます。
読めませんが、文章の流れで「あぁ」としましたが、「おぉ」でもよさそう。

「くたびれ多」、平仮名「た」はあまり出てきません。ほとんどはその次にある変体仮名「多」。

「?うこゝハ」、「も」としましたが、「も」の変体仮名は「毛」「茂」「裳」「母」などですがどれでもなさそう。これも適当に当てはまる言葉を入れてみただけです。


 お供の小僧の背中に白い鼠顔のように見えるものがありますがなんでしょうか。
手に下げている白い物、読めません。

 前頁の土壁に点々を付けてそれらしく描いていました。
ここの石の鳥居と石畳の表面にも同じ手法で描いています。
初歩的な技術でとりたてて注目するようなことではないようですが、これがないとベッタリとしてしまって質感がありません。



2020年5月28日木曜日

豆本 鼡の嫁入 その12




P.11

(読み)
可゛へち うち゛
が へちゅうじ

ろうと奈づ
ろうとなづ

ける奈り
けるなり


も者や
もはや

ミや満いり尓
みやまいりに

奈り个る尓ぞでいりの
なりけるにぞでいりの

ものミ奈ゝ つれたち○
ものみなみなつれたち


○き多りて
  きたりて

よろこひを
よろこびを

のべ个り
のべけり



(大意)
考え忠次郎と名付けました。
はやくも宮参りとなり
親しい付き合いの者たちが次々に
やってきてお祝いの喜びを
伝えました。



(補足)
「可゛へちうち」の出だしには言葉の続きを示す記号(8の字を潰したような形)があります。
「ちうち」だけではなんのことかわかりませんが、つぎに「ろう」と続き、さらに「奈づける」とあるので、名前「忠次郎」とわかります。

「ミや満いり」、「ミ」は「三」に、「や」は「ゆ」に、「い」は「つ」に見えてしまう。

母親は赤い赤ちゃん用の着物(初着)をもってます。


P10P11見開き。



 全体に暗い色調の中に四匹の鼠の顔の白さが目立ちます。
奥の渋黄色の壁に黒い点々を描いて、土壁の感触を出しています。





2020年5月27日水曜日

豆本 鼡の嫁入 その11




P.10

(読み)
奈をつ个んと
なをつけんと

ようゝ と可んX
ようようとかん


「よい
 よい

おこで
おこで

ごさい
ござい

ま春
ます

ち うゝ
ちゅうちゅう


(大意)
名前を付けようかと
よく考え


「よいお子で
ございます。
チュウチュウ」


(補足)
 たらいにたっぷりのお湯、赤い襷(たすき)のお産婆さんが赤ちゃんを取り上げているの図。
屏風の裏地は全ページのものと同じですが、表の絵は異なってます。
屏風道楽のようです。

「ようようと」が「ふかふかと」とも見えましたが、「可」の字が大きいので「う」のほうをとりました。


2020年5月26日火曜日

豆本 鼡の嫁入 その10




P.9

(読み)
なし


(大意)
なし


(補足)
 文章はありません。

P8P9見開き。



 寝間での夫婦の様子。
枕は一つと思いきや、小さな枕に頭ふたつのせるのは無理っていうもんです。
そんなことあるはずありません。
絵の下部に半分隠れて描かれているのが、きっともう一つです。

 枕と敷布団はともかく、奥の山のようになった掛け布団、こんなにかけたら重くて翌朝は平たくなちゃいます。

 ふたりともいかにも寝巻きという姿。



2020年5月25日月曜日

豆本 鼡の嫁入 その9




P.8

(読み)
うミづき
うみづき

き多る尓
きたるに

奈んしう満
なんしうま

れける可゛奈んと
れけるが なんと



(大意)
産み月となり
男子が生まれました。
さて、なんと(名前を)


(補足)
「奈んし」、男子(だんし)。

 この頁だけではどういった場面なのか、わかりません。
夫婦の寝間の一部です。
燭台・行灯、奥に結婚式のときにあったのかもしれない小机があります。
それらの描き方は雑ですね。