2021年6月6日日曜日

豆本 昔噺し舌切春ゞめ その9

P9

(読み)

いろ\/の多可らもの

いろいろのたからもの


いで多りぢゝいハ

いでたりじじいは


よろ

よろ


こび

こび


ける

ける


と奈

とな


りの△

りの


△けん

 けん


どん者゛ゝ

どん者゛ゝ


それを

それを


ミ天

みて


うら

うら


や満しくおもひ春ぐ尓春ゞ

やましくおもいすぐにすず


めを多つ年尓由起个る尓春ゞ

めをたつねにゆきけるにすず


めハけんどん者゛ゝ可゛多づ年き多

めはけんどんば ばが たずねきた


(大意)

いろいろな宝物が出てきて

爺は喜びました。

隣のケチなババアがそれを見ていて

うらやましくおもいすぐに

雀の家を訪ねて行ったところ

雀はケチなババアが訪ねてきたので

(補足)

白壁背景のところはくっきりはっきりですが、床の緑色背景は暗くて読みづらい。

「ける」と「个る」両方の表記が使われています。

「ミ天」(みて)、変体仮名「天」(て)は「く」の上に小さな「乙」のような形がつきます。

「多つ年尓」、変体仮名「年」(ね)は「◯」+「ヽ」のような「Q」に似た形になります。ここでは◯になっていませんけど。

 爺さんは部屋の中でもわらじを履いているように見えます。よほど嬉しかったのかあわててそのまま上がってしまったのか、それとも土間なんでしょうか。どうやら旅支度もとかずにお土産がたくさん入った葛籠を開けてしまった感じ。爺さんの旅支度の色合いがシックでいいです。

P8P9見開き

隅から隅まで手を抜くことなく描いています。

 

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