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(読み)
き多りし可バ
きたりしかば
春ゞめおふ
すずめおう
ぜいよつておくへと本し
ぜいよっておくへとほっし
いろ\/とちそうして
いろいろとちそうして
春ゝめおどりを春る
すずめおどりをする
やらお本さ王き
やらおおさわぎ
このよハと満り
このよはとまり
あくるひ尓奈りけれ
あくるひになりけれ
バぢゝいれいをのべ可いらん
ばじじいれいをのべかいらん
といへハおミやげ尓可るい●
といえばおみやげにかるい
●つゞら可゛
つづらが
よい可お
よいかお
もひの可゛よい可と
もいのがよいかと
(大意)
着いたところ
雀が大勢出迎えて奥へと案内され
いろいろと馳走してくれました。
雀踊りをするやら大賑わいとなり
この夜は泊まりあくる日になって
爺は礼をのべ帰ろうと言うと
お土産に軽い葛籠がよいか
重いのがよいかと
(補足)
赤や青の背景に文章が読みづらいところがあります。変体仮名「可」(か)がたくさんあります。形は「う」と同じ。ベンツのマークみたいな形は変体仮名「満」(ま)です。
「おもひの可゛」、ここの「も」の筆順は下部から左回りに上がって、ちょうど「S」を下から上へ書くような流れです。
爺さんの表情がとても幸せそう。袴の四角い柄がいいですね。
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朝からお土産をもたせるのにも大騒ぎで「重いのがよいですか、軽いのがよいですか」とピーチクパーチク聞こえてきそうです。
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