P10
(読み)
可つお
かつ
ぶし
ぶし
さへ多べ
さえたべ
られぬ由へい満さら
られぬゆえいまさら
こうく王い奈しゐると
こうかい なしいると
ころへ可しらのごん本゛多づ年
ころへかしらのごんぼ たずね
き多りもと可ひぬしこの
きたりもとかいぬしこの
ごろゐんき与のくらの
ごろいんきょのくらの
(大意)
鰹節さえ
食べられないため今さら
後悔しているところへ
頭のゴンボが訪ねてきました。
(頭が言うには)
もとの飼い主が
隠居している蔵にこの頃
(補足)
絵はまったくの歌舞伎舞台の一場面。それも勇ましく大立ち回りの姿です。左手に白いネズミをつかんでいるのはゴンボかフクか。
「こうく王い」、こうかい。旧仮名遣い。
「ころへ可しらの」、最初「ころ」を(くう)と読んでしまい意味がおかしい。前行から続いて「ところへ可しらの」でしたら意味がつながるので、「くう」は「ころ」とわかった次第。まだまだ超初心者なんです。「多づ年」、変体仮名「年」(ね)はおかしな形をしていますが、古文書では「◯」に「ヽ」になります。この豆本の「ねずみ」では変体仮名「禰」(ね)です。
「ごろ」、これはすなおに(ごろ)と読めました。2行前の「ころ」と同じ文字とはおもえません。くどいですが、5行目「こう」、6行目「ころ」、8行目「ごろ」を比較してみてください。
「ゐんき与の」、ここの「与」は最初「ふ」に見えてしまいました。
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