2021年6月21日月曜日

豆本 新版猫の者那し その11

P11

(読み)

うちへいづれ与り可大 鼠  可゛

うちへいずれよりかおおねずみが


き多り

きたり


多いせつの箱物

たいせつのはこもの


を可ぢりこと

をかじりこと


ごとく奈んぎ

ごとくなんぎ


のよし

のよし


又 おこ満

またおこま


のし由志゛ん

のしゅじ ん


おミいさんも

おみいさんも


しん者゜いし天

しんぱ いして


(大意)

中へどこからか大きな鼠が

入ってしまい、

大切な箱物を

かじられ

ほとほと困っている

とのことだ。

またおコマの主人

おみいさんも

心配して


(補足)

変体仮名「与」(よ)がどうも「ふ」にみえてしまいます。

「多いせつの箱物」、現在なら「たいせつ(な)」でしょうけど、当時はこの表現が普通だったのでしょう。「箱物」と読みました。

「し由志゛ん」、変体仮名「志」(し)がわかりにくいですけど、「志」です。

「しん者゜いし天」、変体仮名「者」(は)に半濁点「゜」。変体仮名「天」(て)は「〃」+「く」のような形。

P10P11見開き

 P4P5のパノラマ歌舞伎舞台の再現です。両側に膝をピタリとつけて直立の立ち姿。もうひとりは膝立ちで白い大鼠を退治します。三者色とりどりでにぎやか。よぉっ! おコマとかフクとか掛け声がとんでるはず。

 

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