2021年6月8日火曜日

豆本 昔噺し舌切春ゞめ その11

P11

(読み)

△ミやけをやらんと

 みやげをやらんと


いゝけれバよく者゛り

いいければよくば り


由へとしハとつても

ゆへとしはとっても


ち可ら可゛ある可ら

ちからが あるから


おもひのをもら

おもいのをもら


王んといふ

わんという


由へおもひ

ゆへおもい


つゞらを

つづらを


やりけれバ

やりければ


(大意)

みやげをやろう言いました。

欲張りなので

「歳はとっても力があるから

重いのをもらいましょう」

と言うので、

重い葛籠をやり


(補足)

「ミやけをやらんと」、「や」が「ゆ」のように見えてしまいます。3行目と7行目の「由へ」と比較してください。「や」の変体仮名は「也」。

「ち可ら可゛ある可ら」、「ら」「う」「可」がみなよくにてます。しかし先頭の「ち」は書き間違いのような気がします。

 ふすまの奥の部屋からこっそりのぞく二雀はお正月の羽織袴に振り袖と正装のよう。

P10P11見開き

見開きの中央、どうしても欲張りババアの表情に見入ってしまいます。いろいろな人に似て見えます。

 

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