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(読み)
ところへ町 内 の
ところへちょうないの
可しらの可ゝへねこ
かしらのかかえねこ
ごん本゛といへる可゛
ごんぼ といへるが
とふり可ゝり王る猫 を
とおりかかりわるねこを
さん\゛/尓ころし両 猫 を
さんざ んにころしりょうねこを
尓可゛しやるさても二疋 禰
にが しやるさてもにひきね
こハさるい奈可へ立 の起
こはさるいなかへたちのき
ふうふと奈り王づ可尓
ふうふとなりわずかに
ひろいもの奈ぞして其
ひろいものなぞしてその
日をおくる間 おこ満ハ
ひをおくるあいだおこまは
(大意)
ちょうどそこへ町内の
頭(かしら)の飼っている猫
ゴンボというのが
通りかかり悪猫を
さんざんにこらしめ両猫を
逃してやりました。さてそれから
二匹の猫はさる田舎にたちのき
夫婦となりました。わずかに拾い物などをして
その日暮らしの生活を送りました。
そうするうちにおコマは
(補足)
2行目の「可ゝへ」が最初わかりませんでした。何度か繰り返して読んで「町内の頭が(飼っている)猫」と理解。誰々を「召しかかえる」などといいますけれど、これは人の場合なんですよね。家族同様にしているということでしょう。
「さん\゛/尓ころし」、「ころし」「こらし」「こかし」迷います。
「奈ぞして?日」、変体仮名「春」(す)に似てますけど違います。うーん、わかりません。
貧しくとも縁側はとてもきれいです。庭をそれっぽく描くことなく単に文字の背景の柄にしているのはどことなく日本的です。
上機嫌で語っているのはゴンボでしょうか。青地に紺と白(黄色にも見えます)の縞柄半纏、下の着物は緑地に黒でレンガ柄。煙草入れの箱は簡素ながらきちんと描いています。
<20221109記>
「奈ぞして?日」、「其」でした。古文書などよくでてくるのにどうしてわからなかったのでしょう。
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