2020年9月12日土曜日

豆本 舌切雀 その19

 


P.10上段


(読み)

正  ぢ起

しょうじき


奈る

なる


き志つ

きしつ


由へ▼

ゆえ


▼春ゞめ

 すずめ


尓もらいしと

にもらいしと


者奈せバ

はなせば


者゛ゞアハや可゛て

ば ばあはやが て


いで由起ぢゞいの

いでゆきじじいの


ごとく

ごとく


多づね由起■

たずねゆき



(大意)

正直なたちでしたので

「雀にもらった」と話しました。

婆あはすぐに出かけてゆき

爺いのように尋ねてゆきました。


(補足)

P10P11見開きで物語っていますので、P10上段最後■はP11上段に続きます。

P11の上段最後▲がP10下段▲へ続きそのままP11下段へ続きます。


「正ぢ起」、「正」は変体仮名ではなくくずし字。

「き志つ由へ」、「きしつ」(気質)という比較的かたい言葉が子ども向けの物語に出てきてますので、戸惑います。「ゆ」を変体仮名「由」としましたが「ゆ」でもOK。このあと「由起」(ゆき)として2度でてきてます。

「や可゛て」(やがて)、現在ではしばらくして、そのうちになどで使用しますが、逆にすぐに、ただちにという意味もありました。「や」の書き順がおもしろいです。


 雀の姉さん、異様に長い長い長煙管でいっぷく、気持ちよさそう。


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