P.5上段
(読み)
●
やまを
やまを
多づね
たずね
けれバ
ければ
ひと
ひと
むら
むら
志げる
しげる
多けやぶ尓
たけやぶに
春ゞめのこへ可゛
すずめのこえが
志多りけれバ▲
したりければ
(大意)
山を尋ねたところ
こんもり茂った竹やぶに
雀の声が聞こえてきました。
(補足)
「ひとむら」は漢字にすると「一群」でしょうか。
変体仮名「春」は「す」+「て」のかたちににてますが、ここでは「十」+「て」です。
雀の母娘、よく尋ねてきてくださいましたお爺さん、と母は手を振り広げ娘は手招くように歓待の様子です。でも母も娘もその手のなんと現実味あふれる大振りな描き方、ちょっとひきます。
母の着物は縦縞模様、帯の丸柄、前掛けの格子、それにぽっくりのような上等の下駄を履いています。娘も母に負けじと三角格子の着物に赤い縮緬のような帯紐に渋黄の帯です。
雀の母娘ともに頬の波横棒に黒丸がこだわりのよう、表紙でも描いています。
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