2020年9月5日土曜日

豆本 舌切雀 その12

 


P.6前半


(読み)

おゝ与ろこびで

おおよろこびで


春゛ゞめ可゛あつまり

す ずめが あつまり


ちゝいをもて奈し

じじいをもてなし


おどりつ

おどりつ


まいつきやう

まいつきょう


をつく

をつく


しける

しける


(大意)

大喜びで雀たちは集まりました。

爺いを踊りや舞でもてなし

つくしました。


(補足)

 この頁もすばらしい仕上がりです。

ふかふかのあたたかそうな座布団の柄も丁寧に描き、どっかと歓待をうける爺さんはニコニコ顔で楽しんでいます。しかし爺さんの着物の柄が来たときとは異なり、頭巾の色も変わりました。

 三味線を弾くお姉さん雀の声がピーチクパーチク聞こえてきそうな賑やかさ。

お姉さんたちの手の白さが引き立ちながらも、とてもリアルであります。


「春゛ゞめ」、ここでも「春゛」濁点がついています。何か意味がありそうなのですがわかりません。

「ちゝい」(じじい)、いろいろ言い換えて変化をもたせようとしているのでしょう。

「おどりつまいつきやうをつくしける」、踊りつ舞いつ興を尽くしける。

「しける」、「け」なのか変体仮名「个」なのか、少しにじんでしまっています。



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