P1上段
P1竹内版
(読み)
こゝ尓
ここに
こ者゛
こば
やしの
やしの
あさひ
あさひ
なの者゛ん
なのば ん
こくを
こくを
ミんと
みんと
ふね尓のり多いようを
ふねにのりたいようを
王多りつい尓ひとつの
わたりついにひとつの
志ま尓つきこの
しまにつきこの
ところハ
ところは
奈尓志満と
なにしまと
とへどいつこう
とへどいっこう
ひとのごとく尓て
ひとのごとくにて
(大意)
ここに小林の朝比奈というものが、
万国を見ようと船に乗り大洋を渡り
ついにひとつの島に着きました。
ここは何島というのかと聞いても
少しも答えません。
(かれらは)人のようにみえ
(補足)
文章はかすれがそこそこあり、読みにくいです。竹内版も参考にして読みます。
変体仮名「者」(は)は平仮名「む」の「丶」をとったもののようにみえます。濁点「゛」がつくと「む」ににてます。
「いつこう」は上から続くのか、下にかかるのかわかりません。
この豆本も前回「金太郎一代記」と同じで、竹内版の版木をそのまま流用したのか重ねて写したのかはわかりませんがほとんど同一です。版木はふつう出版してしまうと次の作品のために削ってしまいますので、5年間も版木がそのままであったとは考えづらいことです。
船には表紙の朝比奈の着物にあった家紋と同じ、丸に三つ引きがあります。背景の島や空が3色で彩られそれなりに工夫のあとがあります。
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