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(読み)上段
かいお起多るすゞめ可゛その
かいおきたるすずめが その
のりを奈め多とて者゛ゞア
のりをなめたとてば ばあ
者らを多ち春゛ゞめの
はらをたちす ずめの
志多をきり尓可゛し
したをきりにが し
けれバぢゞいハ
ければじじいは
やまより可へりて
やまよりかえりて
春゛ゞめのおらざる
す ずめのおらざる
ことをとなりの
ことをとなりの
者゛ゞア尓きけバ
ば ばあにきけば
者゛ゞアハ
ば ばあは
者ら
はら
多ち
たち
(大意)
飼っていた雀がその糊をなめたので
婆は腹を立て、雀の舌を切り、逃しました。
爺は山から帰ってきて雀がいなくなっていたので
隣の婆に聞いたところ
婆は腹を立てて
(補足)
婆の着物は前頁では青地に紺の格子柄でしたが、ここでは卍模様になってます。
髪の毛はリーゼントばりで後方をながしまとめて爺に放言している表情とあっています。
爺にくってかかる元気があるのか婆の尻のカーブは丸く若々しい。
左手に持っているのは長い煙管か。
「かいお起多る」、「お」が「な」に見えます。「る」が「も」に見えますが、それでは意味がおかしくなります。出だしが平仮名「か」になってます。
「春゛ゞめ」、なぜか「春」(す)に「゛」があり、このあとにでてくるのもみなそうなってます。
「志多」(した)とかかれると「舌」の感じがありません。
柱の二面を塗り分け、さらに敷居の色も変えています。丁寧な仕事ぶりです。
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