2020年8月18日火曜日

豆本 兎のかがみ山 その13

 

P.9

(読み)

ミち

みち


尓て

にて


くせ

くせ


もの尓

ものに


であい

であい


者可らづ

はからず


志ゆじん

しゅじん


のふバこの

のふばこの


可きお起

かきおき


をミて

をみて


びつ

びっ


くり春る

くりする



(大意)

道にて曲者に出会い

おもいもよらず

主人の文箱の書き置きをみて

びっくりする



(補足)

「者可らづ」、これは難しい。すぐにわかるのは「づ」。「は」の変体仮名「者」は「む」のクルッとまわったあと右下にくにょくにょっと下がるのですが、ここのは「む」はそうはなってません。

前後の文章の流れからいろいろあてはめていくしかありあせん。


「春る」、変体仮名「春」は「す」+「て」のような形。


P8P9見開き


 今までの頁と違って、まるで絵描きや彫師摺師がかわってしまった感じの頁です。

背景の石垣白壁や窓、遠近感をもって描いています。


 左の裃の右肩を脱いでいる曲者、この人が強かったとわかります。右はその曲者の供でした。

この曲者の両耳、内側が赤く塗られています。

白の右手には「はからずも見てしまった主人の書き置き」を握っています。


 一番左端の赤い窓があるのはなんでしょうか。籠のようでもあるし・・・

わかりません。




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