P.18
P.18 上段
(読み)
く多゛されと
くだ されと
もつて行 バ
もってゆけば
これこちらへハ
これこちらへは
どふして
どうして
く多゛さるイヤ
くだ さるいや
今 春つておりま春と
いますっておりますと
いふ尓いヤゝ 春らずと
いうにいやいやすらずと
よふござるそのまゝで
ようござるそのままで
く多゛セへと
くだ せえと
大 き尓
おおきに
もふ可り
もうかり
个るぞ
けるぞ
いさ起゛
いさぎ
よし
よし
(大意)
くだされと
持ってゆけば
これ、こちらへはどうしてくださる
いや、今摺っておりますと言うと
いやいや摺らずともようござる
そのままでくだせえ
大いに儲かってるぞ、
気持ちが良い。
(補足)
大意は必要なく、原文のままで意味がすべて通じます。
「行バ」、「行」のくずし字を知らないと読めません。
6,7行目に変体仮名「春」(す)が3箇所ありますが、4つ目は「ず」と平仮名に「゛」。
「いさ起゛よし」、大いに売れまくって気分がよいことをいっているのでしょうけど、現代ではピンときません。
摺らないでいいから、そのままくれとはただの紙をくれといっているわけで、バカバカしいほど売れているということなのでしょう。
左の丁稚はうれてうれて嬉しくてにこやかですが、その隣のあにさんは顔つきがどこか殺気立って怖い。
正月店頭販売はほんとにこんな感じだったのかも・・・
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