P49 国立国会図書館デジタルコレクション蔵
P49_1
(読み)
周防 國 香 蕈 製 之圖
すおうのくにしいたけせいのず
香 蕈 ハ柯樹の朽 多る材 より自
しいたけはしいのくちたるざいよりし
然 尓生 春゛ると雖 も世に給 するに
ぜんにしょうず るといえどもよにきゅうするに
たら須゛故 尓人 工 を以 て製 する
たらず ゆえにじんこうをもってせいする
事 夥 し則 柯樹檞 櫧 シデ等
ことおびただしすなわちしいかしわかししでとう
の材 を切り斧 を以 て傷 をつけ
のざいをきりおのをもってきずをつけ
捨 置 事 三 年 而 全 身 の朽 腐
すておくことさんねんにしてぜんしんのきゅうふ
を除 き林 中 尓列 へ建 架 おく
をのぞきはやしのなかにならべたてかけおく
時 ハ春 分 に至 て香 蕈 を発
ときはしゅんぶんにいたってしいたけをはっ
生 す是 を収 て後 材 を水 に
せいすこれをおさめてのちざいをみずに
浸 し取 出して木槌 ニて打 こと厳
ひたしとりだしてきづちにてうつことはげし
く再 列 置 時 ハ三 日を経て蕈 発 生 ス
くふたたびならべおくときはみっかをへてしいたけはっせいす
(大意)
略
(補足)
目が覚めるほどに明るく発色が素晴らしい。鮮やか。初摺りで保存がよかったのかも。
「周防国」、『すおう すはう 【周防】旧国名の一。山口県南部・東部に相当。防州(ぼうしゆう)。周芳(すは)』
「香蕈」、『こうたけ。しいたけ(椎茸)の異名』とありますが、『こうたけ かう―【香茸・革茸・皮茸】担子菌類ヒダナシタケ目のきのこ。秋,山中の広葉樹林内に群生する。傘は径約15センチメートルにおよび,褐色の漏斗状で表に粗い鱗片,裏に針状突起を密生する。乾くと香りがよく,食用として珍重。近縁種のシシタケと混同される場合がある。カワタケ』ともあって、さてさて。「蕈」は「茜」+「早」。
「柯樹」、椎の木。「檞」、柏の木。「櫧」、樫の木。「シデ」、シデの木。
「捨置」、「置」や「直」のくずし字は頻出です。
詞書きの巻物の上に赤い札「温室」とあって、この小屋で干し椎茸に加工したのでしょうか。
現在ではドリルで穴をあけ、菌を埋め込んでまちますが、当時は斧で傷つけていたのですね。木槌で激しくたたいて刺激を与え3日で椎茸が発生するとあります。一説には、ホダ木のある林中に雷が落ちて、その箇所の椎茸が発生も速く大きな椎茸が取れてたことにより、様々な刺激を与えたそうであります。現在は電気刺激も使っているそう。椎茸が栽培される以前は、椎茸は高級品で松茸がたくさん出回っていて普通に食されていたそうです。
一服する職人さんに火種を移している御婦人、裾を端折ってますがこれでは力仕事はできそうもありません。きっと温室の中で仕事をしている方で職人さんが一服するときに声をかけて火種を持ってきてくれるのでは。













