2018年8月19日日曜日
紙漉重宝記 その9
P.4 紙漉重宝記譜言 最初〜l.3まで
(読み)
是 を漉 しめ彼地へ 渡 春により大 に悦 び是 を賞 せし事 書 に伝 へて
これを春可しめ可のちへ和多すによりおおいによろこびこれをしやうせしことしよにつ多へて
詳 なり 唐 土 の製 ハ今 の唐 紙の類 のミなり 此 紙 書 画 の類 乃
つまびら可なり。もろこしのせいはいまの多うしのたぐひのみなり。このかみしよぐ和のるいの
外 用 由事 稀 なり 実 者下品 を謂 つ偏゛し
本可もちゆことまれなり。じつはげひんをいひつべ し。
(大意)
この漉かした製品を中国へ渡したところ、大いに悦び賞賛したことが詳しく書物に記され伝わっている。中国製の紙は唐紙のような種類のみである。この紙は書画などの他には用いられることは少ない。実際のところこの紙は下級品というべきものである。
(補足)
「悦ぶ」の「忄」のくずし字が「リ」のようにも「収の偏」にも見えます。
偏に特徴がある馬・足・言・类などならよいのですが、
亻・彳・忄・氵・冫などなど、くずすとなんとなく似てしまうものが多数あり、判読が難しい。
「類」=「类」+「頁」、「頁」は「ミ」をくずした感じ。「类」はこんな感じなんですね。
「す」は「春」「寿」が似てますが、ここででてくる「す」は「春」のほうだとおもいます。
くずし字は、上半分が「十」下半分が「て」または「と」みたいな感じでしょうか。
「は」の「者」のくずし字はこれまたいろいろなのですが、
ここででてくるのは、上半分「す」下半分「マ」みたいな感じになっています。
「用」のくずし字は頻出です。左側の「ノ」がなくなったような形です。
「下品」は「品物が良くない」という意味、現代の下品の意ではありません。
本日はここまで
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