2018年8月13日月曜日

紙漉重宝記 その3




 P.2 l.1〜l.3まで

(読み)

きそふといへども其 本    末 を弁     へ春゛其 労 苦越志らざれ
きそうといへどもその本(ほ)んまつを和(わ)きまへば そのらうくをしらざれ


者゛猥  り丹費失 春る事 塵 挨  丹等しき をい多ミ又 ハ
ば ミ多゛りにひしつすることぢん可゛いにひとしきをいたみま多ハ


此 業    の祖神 の冥 慮 を於それざらんや
この王(わ)ざのそじんのめう里よをおそれざらんや。


(大意)
大勢いるけれども、その(紙漉きの)楮を育て製品になるまでを理解し、その苦労を知らないから
紙を塵芥のように目を背けたくなるような消費のしかたは心が傷つけられ、
紙漉き祖神の深いおぼしめしにたいして申し訳なくおもうのである。


(補足)
 この頁は3行ずつにします。
読みのところ、原文になるべく対応するように下の行にひらがなをあてはめてますが、
ずれてしまうところもあります。お許しください。

 17世紀に来た外国人は早くから日本の和紙の優秀性に気づいていました。
その当時からまた鎖国時代にも大量に輸出され、莫大な利益をあげていたそうです。
しかしその製品にするまでの苦労は並大抵のものではありませんでした。
筆者は此の一冊の中で何度もそのことを強調しつづけます。




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