2018年8月25日土曜日

紙漉重宝記 その15




P.7 l.4〜l.6まで


(読み)
三 年 目二四 尺  四五寸 と成  四年 目二六 尺  出来 多ちよ記ハ
さんねんめによんしゃくしごすんとなり、よねんめにろくしゃくでき、たちよきは

九  尺  ものびる
きゅうしゃくものびる


なり 餘はこれ尓天考    知類べし 勿論  切 置 し一 株 尓
なり。よはこれにて可ん可゛へしるべし。もちろんきり遠きしひと可ぶに

年 ゝ゛五本 程 つ゛ゝ生へ
としどしごほんほどづ つ者え


益春由へ 五年を 歴連バ枝  ゝ 繁 茂して春さましくなると志るべし
ますゆえ、ごねんをふればゑ多゛えだ者んもしてすさましくなるとしるべし。


(大意)
三年目に四尺四、五寸となり、四年めに六尺になり、勢いのあるものは
九尺にも伸びる。他の地域ではこれを参考にするとよい。勿論、切ったひと株から
毎年五本ほどづつ生えてくるわけであるから、五年も経てば枝々はうっそうと繁茂することを
承知しておくこと。


(補足)
 今回は漢数字に注意します。ここででてきているのは「一」から「十」まですべてそろっています。ただすべて一二三四五六七八九十という漢数字で、壱や弐はでてきてません。

 これらはあとにまわすことにして、一番形を覚えなければならないのが「五」です。
何度も指でなぞって印象づけます。
筆を左下の向きを変えるところで、クルッと左回りに左斜め上へ返すところを要点にして
おぼえました。

 ひらがなの「し」が左側に大きくはみだしす字体もあれば、文章の中央に紐のような字体のもあります。特に何か規則があるというわけではなさそうです。

 五行目「五本程づつ」の「程」も頻出。昔の文書では複数になると、その数字が確かでも習慣としてこのようにつけるようです。「五軒程」「五艘程」など。

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