2018年8月20日月曜日
紙漉重宝記 その10
P.4 紙漉重宝記譜言 l.3〜l.5まで
(読み)
御国 の古゛と記紙 の
みくにのご ときかみの
生 春゛流事 異国 尓奈し これを扱 ふ買 人 是 等の事 をさとり必
しやうず ることいこくになし。これをあつ可うあきうど、これらのことをさとり可奈ら須゛
於ろそ可に春類事 を傷 むべし 此 紙 石 州 鹿 足 郡 美濃郡 の
おろそかにすることをい多むべし。このかみせきしう可のあしご本り・ミのこ本りの
(大意)
我が国のような紙の製品を作るところは異国にない。この製品を扱う商人たちはこのことを
承知し、決して粗雑にするようなことがないよう反省するべきである。この紙が石州鹿足郡や美濃郡の
(補足)
「き」には「記」「起」「喜」「畿」などがありますが、「記」と「起」のくずし字はよく似ています。偏の「言」と「走」のちょっとした違いだけです。ここでは「起」としました。
「国」のくずし字はいくつかあります。ここでは「囗(くにがまえ)」の中が「氷」のようになってます。
「異」は江戸後期に度々現れた「異国船」という単語ででてきます。
そのときはたいてい、上部「己」+ 下部「大」の異体字が使われることが多いです。
異体字は石州の「州」にも使われています。上部「刀」+「渋いの旁の下半分の4つの点」です。
「刀」が3つの異体字もあります。
ここでも、著者は我が国だけでしか生産されない上質の紙を粗末に扱うな、と訴えています。
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