2018年8月26日日曜日
紙漉重宝記 その16
P.7 l.7〜最後まで
(読み)
五年 目より苅 取 紙 漉 尓用 由 古 き畑 尓植 る尓出来よろし可ら須゛新 田 の
ごねんめより可りとり可ミすきにもちゆ。ふるき者多けにう由るにできよろしからず。志んでんの
岸 奈どに植 る二よし 尤 塩 気を嫌 ふ とうきびを嫌 ふ
きし奈どにう由るによし。もっとも、志本けをきらう。とうきびをきらう。
こへ少 しき時 ハ枯るゝ
こえ春こしきときは可るる。
過 るも悪 し 他の作 物 尓糞 をし 其 餘情 の自然 尓潤 ふを好 む 山 ぎし
春ぐるもあしし。多のさくもつにこえをし、そのよせいのしぜんにうる本うをこのむ。やまぎし
(大意)
五年目より刈り取り紙漉きに用いる。古い畑に植えたものは出来がよくない。新田の周りの空き地などに植えるとよい。しかし、塩気を嫌うし、とうもろこしのそばもよくない。
肥料が少ないと枯れ、多すぎてもいけない。他の作物の肥料が自然にしみだしてくるくらいがよい。
山岸や
(補足)
「用」はもう何度か出てきました。くずし字は左側の「ノ」がありません。
「取」、「耳」が「夕」の上に点がついているようなくずし字です。
「畑」の「火」、これ慣れないとおやっとおもってしまう。「火」の一画目の点が大きいのです。
「尤」は頻出。最後の行「自然尓潤ふ」の「然」の右上部と同じで、くずし字も同じ。
漢字は部品で成り立ってますので、同じ部品はだいたい同じ様にくずされます。
しかし違うことも多く、これがやっかい。
「作物」の「乍」、既出ですが大切なくずし字です。
これで7ページ目が終わりました。
声を出し、通しで読みます。
ゆっくり、またはやや早口で、口角や舌の動きが古い言い回しに慣れてきます。
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