2018年8月29日水曜日

紙漉重宝記 その19




P.8 l.7〜最後まで


(読み)
右 真楮苧 一説  つう可けともいふ 紙漉  立  尓至  てよろし
みぎまこうぞいっせつつうかけともいう。可ミ春き多つるにい多つてよろし。

種 少  く常 体 可け目一 〆 目
多年春く奈くつ年ていかけめいっかんめ


尓付 代 銀 三 匁  弐分ぐらい
につきだいぎんさんもんめにぶぐらい。


又 同 じ種 類 尓かぢ苧あり 紙 尓漉 立 至  てよろし个れども
またおなじし由るいにかぢそあり。可ミに春き多ていたってよろしけれども

紙 の出来立 少  き
可ミのでき多ち春く奈き。


(大意)
今まで述べてきた真楮苧(まこうぞ)は一説に「つうかけ」ともいわれる。紙漉きに大変適している。株分けが少なく、通常の売買ではかり一貫目で料金は三匁二分ぐらいする。
また同じ種類で「かじそ」がある。紙漉きに適してはいるが、紙になる量が少ない。


(補足)
「分」、P7の1行目に二箇所でているものと比べてください。
P7のは小さな「ノ」を3つ縦につなげてくずし、その右側に「ヽ」を打ってます。
P8では『小さな「ノ」を3つ縦につなげてくずし』たところを縦棒「|」にして、右側に点です。
金銭で使われることが多いくずし字のようです。

「常」が独特のくずし字になってます。どんなにくずしても、「冖」の上の「小」はたいてい認められるようなので、これをめどに覚えます。
「小」をなくすと、「道」のくずし字にそっくりです。

「け」のくずし字が「々」のようにみえますが「个」という字です。
おばけのからかさ小僧っていいましたっけ、あれです。

 ここでは1〆目(1貫目)で3匁2分となってますが、このあとより詳しく料金について説明されます。
 ちなみに1貫=3.75kg です。
三匁弐分は現在ではどれくらいの価値があったのでしょうか。


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