2021年1月3日日曜日

豆本 禰この道行 その10

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前半

(読み)

くまハ多ん本゛奈可尓

くまはたんぼ なかに


てひといきつ可んとや春

てひといきつかんとやす


ミゐ多れ者゛とら蔵 き多

みいたれば とらぞうきた


りて可ど王可し\/   と大ご ゑ

りてかどわかしかどわかしとおおごえ


多て連バもとこゝろや春くし多る

たてればもとこころやすくしたる


(大意)

クマは田んぼの中で

ひと息つこうと休んで

いたところ、トラ蔵が追いついて

「かどわかしかどわかし」と大声で

叫びました。そうすると以前から

親しくしていた


(補足)

変体仮名「可」(か)がたくさんでてきます。「う」のようにみえたり「っ」のようにみえたりいろいろです。

「や」は現在では3画です。この当時は「つ」の最後をそのまま右回りに上がり「つ」を横切ってそのまま丸く流れます。

 クマはおコマを右脇にかかえ、左脚でおもいっきりトラ蔵を蹴飛ばしています。クマは半笑い、おコマはうちひしがれ、トラ蔵は無念の表情。三者をよく描き分けています。おコマのこのときの顔って、実際の猫も首根っこを持って吊り下げるとこんな顔になりますね。

3人の手足はちゃんとにゃんこのものになっています。

 

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