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後半
(読み)
尓可うく王い奈しこ連より个つ
にこうかい なしこれよりけっ
してふぎをつゝしミ身のおこ
してふぎをつつしみみのおこ
奈ひを多いせつ尓い多すべしと
なひをたいせつにいたすべしと
奈ごりをしくもりやう尓王可れ△
なごりおしくもりょうにわかれ
(大意)
後悔しました。この後より決して
不義を慎み身の行いを
大切に致すべしと
名残惜しくもりょうに別れ
(補足)
前回も記しましたが、「可うく王い奈し」が??です。「い」としましたがこれはどうみても「ハ」です。「い」は他の行にたくさん出ててそれらと比べても異なります。「ハ」は4行目にあるだけですがこれはそっくり重なるくらい同じです。しかし「ハ」と読むと「可うく王ハ奈し」となって意味が不明です。意味が通じるようにするには「ハ」を「い」とすれば「後悔した」の意に理解できます。ウ~ン・・・どうなんでしょう。
「つゝしミ」、ちょっと読みづらい。
「多いせつ」、ここの「い」は先程の「ハ」の形に近いです。
「こ連より」「奈ごり」「りやう」、「り」が小さい「つ」に似たのもあり、ちょっと悩みます。
「王可れ」、平仮名「れ」、他の箇所では変体仮名「連」(れ)でした。
木が両脇に一本ずつあります。枝ぶりや葉はともかくとして、両方とも幹がやや稚拙に感じます。
他の部分は緻密で丁寧でうまいのに、この落差はどうしたことでしょうか。