P12 国文学研究資料館蔵
(読み)後半
朝 大己貴 神
て うをあ奈むちの
ちょうおあなむちのかみ
活 玉依 姫 尓
いく満よりひめ
いくまよりひめに
通 給 ふ時 父
可よひ
かよいたもうときふ
母志らんとて
ぼしらんとて
績 麻を針
うミを
うみおをはり
を以 て神 人 の
をもってしんじんの
短裳 に係 て
もすそ 可け
もすそにかけて
旦 糸 のすじを
あし多いと
あしたいとのすじを
尋 もこめし尓
多づね
たずねもこめしに
三諸 山 尓畄 ると
ミもろ
みもろやまにとどまると
いへり
いえり
勝 川 春 章 画
かつかわしゅんしょうえ
(大意)
(我が)国では大己貴神が活玉依姫に通われる時
父母は相手が誰であるか知ろうとして
績麻を針にとおし、神の短裳に縫い付けた。
翌朝、糸のあとをたぐっていくと
三諸山にたどりついたいう
(補足)
「大己貴神」『おおあなむちのかみ おほあなむち― 【大己貴神・大穴牟遅神】
大国主神(おおくにぬしのかみ)の別名。おおなむちのかみ』
「活玉依姫」、『活玉依媛 いくたまよりひめ. 記・紀にみえる美女。 陶津耳(すえつみみ)の娘。「古事記」では活玉依毘売とかく
「績麻」、『うみお ―を【績麻】青麻(あおそ)を裂いてつなぎ,糸としたもの。うみそ。』
「旦」、『あした。あさ。あけがた』
「三諸山(みもろやま)」、『奈良県大和三輪山(みわやま)』
娘さんは横座りのようですが、右の御婦人は立膝のようにみえます。当時、女性は立膝であってもお行儀が悪いということはなかったようです。娘さんは長煙管で先につめているところのようです。反物に臭いや汚れがついてしまいそうですけどねぇ、心配。
御婦人が反物を広げて検分してます。反物の巻いてある方、左手にしている方、は裏地になります。絵師・彫師・摺師はちゃんと裏地のようにかき分けているところが、たいしたものだなと感心させられます。
現在の生糸産業を調べてみました。「AIの概要」によると、
『現在の日本の生糸(きいと)産業は、かつての主要産業としての面影はなく、極めて厳しい存続危機的状況にあります。かつて世界一を誇った生産量は激減し、国内に流通する生糸のほとんどは輸入に頼っているのが現状』
とあって、詳しく調べれば調べるほど、危機的ではなく、もう終わっているという状況で「5年後に蚕糸業はなくなる」というほどでありました。
興味のある方は「蚕糸業をめぐる事情令和8年1月農林水産省」という冊子で最新の状況が報告されています。

0 件のコメント:
コメントを投稿