2026年2月18日水曜日

繪本寶能縷 その14

P12 国文学研究資料館蔵

(読み)前半

かゐこやしない草 㐧 十  二

かいこやしないそうだいじゅうに


扨 縫 針 の者じめハ

さてぬひ者り

さてぬいばりのはじめは


いづ連といふことを

いずれということを


志ら袮とも衣

     い

しらねどもい


裳  の製   しゟ

しやう こしらへ

しょうのこしらえしより


道 なるへし唐

      とう

みちなるべしとう


の大 昊 と申

 多いこう

のたいこうともうす


帝  九  針 を作

ミ可どきゅうはりをつくる

みかどきゅうはりをつくる


といふ又 礼 記

     らいき

というまたらいき


のうち尓針

のうちにはり


尓紉  て縫 ん

 をつけ ぬハ

におつけてぬわん


とあり我

   和可

とありわが


(大意)

 さて、縫い針がいつからつかわれていたかはわからないのだが、

衣服を作り始めた頃からだろうと考えられる。

中国の大昊(太昊)という帝(みかど)は九針を作ったという。

また、礼記には針に糸を通し縫ったようだとある。

(我が国では)

(補足)

「縫針」、『ぬいばり【縫い針】衣服を縫うのに用いる針』

「唐の大昊という帝」、唐には「大昊」という皇帝はいないので、ここの「大昊」は「古代の黄河流域にあった部族連合と巴(中国語版)の伝説上の祖先」でしょうか。唐は唐土とおなじで中国ということ。

「九針を作」、実際に9針を縫ったというのではなく、中国語では九は縁起の良い数字、あるいは皇帝や天を象徴する数字なので、太昊という帝(みかど)がそのような針仕事をされたということでしょう。

「紉」、『縫い合わせる、つづる、縄(なわ)、結ぶ、針に糸を通すという意味を持つ漢字です。音読みでは「ジン」「ニン」、訓読みでは「なわ」「むすぶ」と読み、「縫紉(ほうじん)」』

 原本は昨日の㐧十一までで、ここの㐧十二はオリジナルということになります。

商家の女将さんと娘さんに売り込みにやってきたのは、右奥に「丸に井桁三(まるにいげたさん)」の紋が見えますので「三井越後屋呉服店」のようです。

 ちりめんの反物を手に商い中、後ろの反物は「本しこみ」とあるのでしょうか、よくわかりません。娘さんの前に出しているのは、仕立て上がりの着物の図面だとおもいます。このような売り込みもしたのですね。

 

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