2026年9月28日月曜日

大日本物産圖會その99

P99 「船橋市西図書館所蔵」「画像の無断ダウンロード禁止」

P99_1

(読み)

羽後秋 田欵冬之圖

うごあきたふきのず


秋 田郡 久保田辺  より出る蕗(フキ)

あきたぐんくぼたあたりよりでる  ふき


ハ尋常(ヨノツネ)の者 尓異(コト)奈り莖(クキ)の高

は   よのつね のものに  こと なり  くき のたか


さ一 丈  尓至(イタ)り葉(ハ)の大 キサ傘(カサ)

さいちじょうに  いた り  は のおおきさ  かさ


の如 し其 莖(クキ)徑(ワタ)り六 七 寸 心(シン)の

のごとしその  くき   わた りろくしちすん  しん の



孔 尓青魚脯(シン)二尾を容(イ)るゝ

あなにあお  しん にびを  い るる


ものありといふ其 葉を印(イン)し

ものありというそのはを  いん し


て諸 方 尓出すに唐 紙 二

てしょほうにだすにからかみに


枚 尓跨(マタガ)るといふその欵冬(フキノ)

まいに  またが るというその   ふきの


花(トウ)も大  サ蓮花(レンゲ)尓春起゛多り

  とう もおおきさ   れんげ にすぎ たり


茎花(クキバナ)並   食(クラ)ふべし然(シカ)連共

   くきばな ならびに  くら うべし  しか れども


其 味 ハ却(カヘ)て長  ぜざる所  也 と云

そのあじは  かえってちょうぜざるところなりという

(大意)

略

(補足)

「欵冬」、『おおば、おほば、かんとう【欵冬】植物「ふき(蕗)」の古名。また「つわぶき(橐吾)」の古名ともいう』。『漢字の意味: 「欵」は打ち叩く、「冬」は寒さや氷を表し、冬の氷や雪を破って芽を出す様子に由来します。七十二候: 二十四節気の大寒の初候に「欵冬華(ふきのはなさく)」があり、雪の下からフキノトウが顔を出す、春の訪れを告げる頃を指します』。辞書とAIによる概要にたよりました。

「秋田郡久保田辺」、JR秋田駅、秋田市のあたり。久保田城があります。

「青魚脯」、AIによる概要では『青魚脯(せいぎょほ / チンユーフー)とは、中国の淡水魚である「青魚(アオウオ)」を原料とした魚の干物』とあります。ここでは秋田沖でとれたニシンの干し魚でしょうね。

 蕗が森林のように描かれ、人が小人になってしまったように見えます。かって北海道に旅したとき、実際に自分自身より大きな蕗の葉と茎を見たときには信じられないおもいでした。雨傘よりも大きい葉なのでちゃんと雨をしのげますし、葉っぱにある毛が水をはじくので実際の傘よりも上等でした。

 畑仕事の帰り道、鋤をかつぐ近所の人が、蕗の葉の下で雨宿りする旅人に指を指しながら話しかけています。「影が馬みてぇじゃねぇか、ハハハ」。

 蕗の葉の裏表、茎はみな緑色ですが、濃淡だけで表現していてきれいで見事です。

 

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